17/07/2026
土のうつわなのに、まるで石のよう。
初めて小原創太さんのうつわを目にしたとき、そんな感覚を覚えました。
きっかけは、知人が見せてくれた一枚のプレート。
炭の跡や貫入が重なり合い、白や灰、青が複雑に溶け合う繊細な色合いに、思わず心を奪われました。
どのようにして、こんな奥行きのある表情が生まれるのだろう。
その背景にあるものづくりを知りたくなり、先日、埼玉県所沢市にある工房を訪ねました。
棚に並ぶうつわを眺めていると、小原さんは手に取りながら、その理由を丁寧に教えてくださいました。
土の色や釉薬、そして炭化焼成。
さまざまな要素が重なり合うことで、それぞれが異なる表情をまとっていくのだそうです。
なかでも大きく左右するのが、最後に行う炭化焼成の工程です。
「こればかりは、本当に窯を開けるまで分からないんです。」
小原さんが鞘の蓋をそっと持ち上げ、真っ黒な灰を優しくはらうと、灰色の濃淡が美しく重なり合ううつわが姿を現します。
「思い描いたところに届かないこともあれば、想像を超えるものが生まれることもある。」と小原さんは言います。
自然が見せる予測できない表情を受け止めながら、試行錯誤を重ねていく。その先に、あの美しさが生まれているのだと感じました。
こうしてわが家へ迎えた小原創太さんのうつわ。
幾度もの試行錯誤の先に生まれた自然の景色は、食卓にそっと溶け込み、日々の暮らしを涼やかに彩ってくれています。
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