03/08/2017
屋根の葺き替えが終わりました。
地瓦(じがわら)は和形(わがた)の桟瓦(さんがわら)で、軒先は饅頭軒瓦(まんじゅうのきかわら)です。木製の横桟(よこさん)、縦桟(たてさん)を割り付けた下地に錆びないねじ釘によって、留め付けます。
基本的に葺き土(ふきつち)は載せませんので、建物全体の重さは相当量の軽減化が図れます。
大屋根(おおやね)の棟(むね)には、台熨斗(だいのし)を二段構え(にだんかまえ)に積み、その上に熨斗瓦(のしかわら)を八段(はちだん)積み上げます。そして一番上に雁振瓦(がんぶりがわら)をのせて、どっしりとした屋根の構えが復活しました。地割(じわり)のしわ寄せは紐丸瓦(ひもまるかわら)で調整をして、下り(くだり)の棟の部分は、素丸瓦(すまるかわら)の上に熨斗瓦(のしがわら)を積み上げます。隅の上にも同じく熨斗瓦を積み上げ、それぞれの軒先には鬼瓦(おにがわら)を配した上に、従前の様に鳥衾(とりぶすま)を掲げて、周囲に調和をした重厚な趣を維持しています。巴瓦(ともえがわら)も縁起物の鶴亀が飾られています。
鬼瓦(おにがわら)は既存の屋根に飾ってあったものを、焼き直してもらいました。これは再度、燻す(いぶす)ことによって、装いを改めることと、瓦の長寿命化が期待できます。
焼き直した鬼瓦は、主に七福神でした。もともと鎮座していたのは、恵比寿、大黒天、福禄寿、そして、翁。縁起の文字は「宝」や「水」、形としては「立浪(たつなみ)」などです。数個の鬼瓦を補足することになり、布袋、弁財天、毘沙門天を新調しました。先人が施した折には家人と相談をして、様々な思いを込めて、そこへ納められたのだと想像できます。これらの鬼瓦は雨や風、火などの災い事を避け、幸いを願い、祈るように屋根の上から見守っています。