Manna設計

Manna設計 Manna設計〔マナセッケイ〕 一級建築士事務所 Manna設計株式会社〔マナセッケイ〕

平成30年4月に創設された「介護医療院」は医療と介護のニーズがある要介護認定を受けた高齢者が、長期的に療養できる施設である。医師や看護職員等の配置が定められており、日常的な医学管理と看取りやターミナルケアの機能を兼ね備えている介護保険施設と...
28/02/2022

平成30年4月に創設された「介護医療院」は医療と介護のニーズがある要介護認定を受けた高齢者が、長期的に療養できる施設である。

医師や看護職員等の配置が定められており、日常的な医学管理と看取りやターミナルケアの機能を兼ね備えている介護保険施設として、超高齢社会に欠かせない療養環境と位置付けられている。

独法福祉医療機構によると、2021年9月末には619施設(38,262床)が整備されている。九州では全国最多の福岡県(41施設)がトップだが、宮崎、大分、佐賀、長崎では目立つほど整備されていない様だ。なお、全国的に整備数が少ないのは東北地方となっている。

もともと介護療養型医療施設や医療療養病床からの転換先として誕生した経緯があるが、いよいよ再来年の令和6年3月末に「介護療養」からの転換期限を迎えることになる。

以前は移行支援策として期間限定の「移行加算」があり、フル算定狙いで瞬く間に拡大したが、「様子見」の先も多いと聞く。

転換前に検討が必要な2大項目は①施設基準(面積等)②転換後の収支だと思うが、①については緩和策も講じられている。
介護医療院の面積は老健施設相当で1床当たり8.0m2。多床室の場合は、家具やパーテーション等による間仕切りの設置で利用者のプライバシーに配慮した環境が求められる。

しかし、既存施設の療養病棟で8.0m2/床を確保出来るのは、築年数が古い先では困難だろうと推測する。なぜなら病棟では4.3m2、6.4m2が基本の面積だったからだ。基準面積拡大は介護保険法が根拠法になっているが、転換に向けてのハードルの一つになっていると思う。

国は面積の基準値が不足している場合の経過措置も設けている。また、有床診療所が転換する場合の浴槽に関する緩和策も前回の改定で示されている。
保健所に提出している平面図等の資料があれば何床配置できるか仮のレイアウトを考察出来るので、ぜひ設計者に相談していただきたい。

尚、福祉医療機構では移行支援ツールを公表していて、収支シミュレーションも任意の入力で推定値が分かる様になっている。

介護医療院への移行支援について

08/01/2022

認知症対応型グループホーム(以下、グループホーム)は1ユニット9人定員となっており、地域密着型事業として各自治体の整備枠が設定されている場合が多い。

日常生活圏域毎に、1施設2ユニット18人定員で募集されることが多いが、稀に1ユニット9人定員としての応募枠が出ることもある。

今度、九州内のある地域で既存のグループホーム1ユニットに、新規で1ユニットを追加する計画をお手伝いすることになり、以下のパターンでプランを考えてみた。

もちろん、グループホームの施設基準を確認したが、ハード面では以外と詳細までは触れられておらず、プラン作成にあたっては正直「これでいいのか?」という気持ちを抱きながら作業をすすめることになった。

▶︎既存玄関を利用し、
①既存ユニットを通らずに、渡り廊下にて新ユニットに入る。
②既存ユニットを通り、渡り廊下にて新ユニットに入る。
③既存ユニットを通り、サブリビングにて新ユニットと接続する。
▶︎玄関は別々で、
④既存と新ユニットを渡り廊下で接続する。
⑤既存と新ユニットをサブリビングで接続する。

参考までに、知人の医療コンサルタントに北部九州の自治体担当者に確認してもらったところ次のようなコメントがあったそうだ。

「基準集では詳細に定められておらず、当該自治体の解釈と指導によって違いがあるので、計画しようとする自治体にプランを持ち込まないと、何とも言い難い…」

「例えば、玄関についても必ずしも別々である必要はない。外玄関は一つで、内玄関が別々であれば可としている計画もある」

また、「管理部門は共用も可とする計画もある」「いずれにしても当該地での対応であって、自治体によっては違う対応になることも考えられる」とのこと。

グループホームは「地域密着型事業」として位置づけられており、運営面だけでなく、ハードについても地域性を反映しており、あらためて柔軟性を感じることとなった。

日本医療福祉建築協会の「地域の高齢者介護施設を中核とした整備に関する調査研究報告書」を紹介する2回目になる。この報告書には14の事例が紹介されており、前回7例を紹介したが、今回は残り全てを紹介し、特に印象に残った事例として、熊本県山鹿市の事...
31/12/2021

日本医療福祉建築協会の「地域の高齢者介護施設を中核とした整備に関する調査研究報告書」を紹介する2回目になる。
この報告書には14の事例が紹介されており、前回7例を紹介したが、今回は残り全てを紹介し、特に印象に残った事例として、熊本県山鹿市の事例を取り上げたい。小規模多機能型居宅介護の事業企画は弊社でも実績が(新築)あることから、集客や地域との関係構築などに興味があった。

・事例8:「施設を解体し地域の中に24時間365日型のケア拠点を整備」(新潟県長岡市)
・事例9:「廃校となった小学校校舎を特別養護老人ホームに改修・転用」(新潟県柏崎市)
・事例10:「駅前再開発と複合化・高層化した高齢者施設」(岐阜県岐阜市)
・事例11:「特養の地域分散化と社会福祉法人のグループ化」(京都府京都市)
・事例12:「施設解体による地域の中へのケア拠点の分散配置」(福岡県大牟田市)
・事例13:「小規模多機能型居宅介護を拠点とした地域力の向上」(熊本県山鹿市)
・事例14:「特養のあり方の見直しと地域ケア拠点の集落ごとへの整備」(鹿児島県大和村)

個別に取り上げるのは事例13の小規模多機能型居宅介護に関する事業だ。
事業の特徴として、以下の4点が挙げられているが、これが「目から鱗」の内容になっている。
①小規模多機能型居宅介護の分散配置。
→「ケアサービスステーション構想」の下に本体施設の小多機「いつでんくるばい」に定期巡回随時対応型訪問介護を併設。小多機サテライトの「いつでんどこでん」と「くるばい三玉」を設置し、圏域全体を支えるための24時間365日稼働のサービス提供体制と活動拠点(要介護者の通い拠点)をつくった。

②多様な利用者を受け入れる共生型サービスの実施。
→サービスの利用者は要介護、介護予防高齢者だけでなく、子育て、障がい者、精神障がい者、DVの緊急受け入れまで行っている。

③地域コミュニティの向上。
→「開設当初から地域での暮らしを支えるためには地域の力が必要であり、地域住民に事業を委託していく構想を立案し、地域住民による運営推進会議を組織し、地域サポーターを養成し」た。現在では「介護予防と認知症カフェなどについては住民全体の活動として継続されている」

④まち(行政+介護事業所)全体で介護人材を育成。 
→「元気な高齢者や障がい者、働いていない人に介護の担い手として働いてもらう仕組みとして「地域の介護を守る」ネットワークを創設。
「地域住民でケアを担う仕組み」として「生活支援を地域住民が仕事として担」えるよう総合事業の一つとして地域で働くことができる高齢者の育成を目指している。

「いつでんどこでん」では、子育てサロンを定期的に開き、子育て世代の親子が集まる機会をつくっている。居住棟は精神障がい者の住まいとしても利用されており、「いつでんどこでん」から働きに出ている障がい者の人もいる(本文より抜粋)

「平面計画」の特徴としては(1)入り口を中心に地域交流と事業エリアが左右に分かれており、どちらか一方でも利用でき、双方の連携も取ることができる。(2)地域交流スペースに大きなキッチンがあり配食サービスの厨房機能をもっている。(3)地主が建物を建設し運営者が一括借上げするスキームになっている。また、別棟として居住棟を持っている。

実は以上の事例は「小規模多機能居宅介護」のモデルになった事業らしい。同じ熊本県に全国の先駆けとなった事業者がいたことを初めて知ることになり、見学して直接話を聞いてみたいと考えるようになってきている。

・地域を運営の主人公として位置付け。
・地域の中で介護の担い手を養成。
・地域への施設の交流スペースの開放等、計画者の地域に立脚した自立支援、介護支援システム創造に向けた大胆な発想と、実行力が企画を成就させていると感じた。

設計者としても計画者の想いに寄り添い、事業の具現化に向けて役割が果たせるよう今後も精進していきたい。

2022年が皆様にとって良い年になります様祈念しております。

地域の特性に合ったアイデアにあふれる企画一般社団法人日本医療福祉建築協会では国の補助金で「地域の高齢者介護施設を中核とした整備に関する調査研究報告書」を今年3月に発表している。都市部から地方まで全国14の事例を取り上げて①市町村の特徴②立地...
27/12/2021

地域の特性に合ったアイデアにあふれる企画

一般社団法人日本医療福祉建築協会では国の補助金で「地域の高齢者介護施設を中核とした整備に関する調査研究報告書」を今年3月に発表している。

都市部から地方まで全国14の事例を取り上げて①市町村の特徴②立地特性③法人の特徴④法人の歴史と事業プロセス⑤事業に関わるネットワーク⑥利用料金⑦施設の計画(配置計画・平面計画)⑧改修・増築⑨運営における課題⑩施設・建物概要の項目に分けて企画全体を網羅して紹介している。

調査研究事業の問題意識として「特に人口減少が進む地方部における高齢者サ一ビス基盤のあらたな整備のあり方について」以下の3つの視点から事例収集し調査研究している。
これは九州の一部の都市部を除いて全体的に人口減少が進んでいく状況から、大変興味深く今後の事業企画の立案にとっても参考になると考えた。

(1)既存建物の改修・転用事例の収集と整備手法の分析。
(2)既存サ一ビスの連携による地域の介護基盤整備取り組み事例の収集と整備手法の分析。
(3)小規模な介護サ一ビス拠点と連携を取りながら、地域共生社会の中核となっている介護施設の事例収集と整備手法の分析。

今回は紹介されている14の事例から、東日本の7例の企画名を紹介したい。どの事例を見ても特徴的な企画になっており、今後何回かに分けて取り上げていきたいと考えている。

・事例1;「特養の定員を減員して建物の一部をサ高住に転用」(北海道芦別市)
・事例2;「空き家の活用による有料老人ホームの地域分散化」(岩手県金ヶ崎町)
・事例3;「大規模団地の再開発と福祉施設の複合化」(千葉県千葉市)
・事例4;「シニア向け分譲マンションと既存施設の活用による日本版CCRCの取り組み(千葉県千葉市)
・事例5;「閉校した小学校校舎を特別養護老人ホームに改修・転用(東京都港区)
・事例6;「団地全体を支える小規模多機能型居宅介護(神奈川県藤沢市)
・事例7;「人口減少を見据えた異なる施策の重層化によるまちづくりの推進(新潟県見附市)

次回は西日本の企画7事例を紹介させていただく。九州では鹿児島県大和村、熊本県山鹿市、福岡県大牟田市の3企画となっている様だ。

これらの企画は先の10項目の角度から紹介されており、今後企画立案を検討する事業者や設計者には参考になると思う。

尚、調査研究報告書は以下よりダウンロード出来るようになっている。

課題研究 こちらからダウンロードできます。 平成30年自然災害による病院の被害状況と事業継続に関する調査研究報告書 2018年 2.96MB 医療施設の安全・安心に関する事例調査報告書-設計における建築・設備の工夫の採用.....

「”介護施設らしさ”は不要な時代に⁉️」『週刊 高齢者住宅新聞』のオンライン版(2021年9月8日号)でこんな見出しが出ている。「介護施設らしさは不要な時代に」とはいったいどういうことなんだろう。「介護施設」とは一般に、要介護状態の高齢者が...
21/11/2021

「”介護施設らしさ”は不要な時代に⁉️」

『週刊 高齢者住宅新聞』のオンライン版(2021年9月8日号)でこんな見出しが出ている。「介護施設らしさは不要な時代に」とはいったいどういうことなんだろう。

「介護施設」とは一般に、要介護状態の高齢者が「自宅」で在宅医療を受けながら、療養生活を送る「高齢者住宅」や、介護保険サービスを受ける場所である「通所」型、「入所」型介護施設を指すと思う。

手すり設置や段差解消、利用者やスタッフの動線、衛生区域や所要室の配置、一人当たりの面積等、行政の指導や施設要件に則った設計が必要だが、記事の内容は、直接触れられてはいないが、それを否定するものではい。

記事では中部地方のよくあるタイプの「リハビリ特化型デイサービス」定員60名の大規模デイサービスの完全予約制の新規出店内覧会に、ケアマネージャーが110人、一般の方が約80人参加したこと。

結果、オープン前に利用を決定した方が約30人。オープン月の下旬には合計50人の利用が決定したとある。
この地域は競合が激しく同様の大規模デイが複数展開される激戦区らしい。

ここからが本題で、なぜその結果になったのか⁉️答えは「介護施設らしさがない」からということだ。一言でいうと団塊の世代の心を鷲掴みにする”遊び心”にあるという。

具体的には、①イチローが使っていた「初動負荷マシン」(イチローとダルビッシュが同じマシンを使用している映像も)②「スナック」の様な内装に凝ったカラオケ室。③TSUTAYAの様な「ブックカフェ」で本格ドリップコーヒーをオリジナルマグカップで。④高価なスピーカーを設置した「音響」環境。⑤クロスや天井のデザイン、ソファーやテーブルがレトロ。

コンセプトメイキングと店舗設計ノウハウでターゲットを絞った企画づくりを行ったことが成功へのポイントだった様だ。

2025年には団塊世代が後期高齢者となり、いよいよ超高齢社会のピークを迎える。人数も多いが要望も高く、多様なのがこの世代の特徴かもしれない。

安全と安心、利用のしやすさはもちろん、満足度の高い設計と、ターゲットを絞った企画づくりがますます重要になってくる。

一方、人口減少地域や地方では企画立案にあたっては上記の他に特に以下の点に注意が必要だと思う。
まずは、継続的な事業性を保てる企画なのかどうか。そのためには企画予算立てを慎重に、緻密に行い、入居費用の設定を地域の状況を考慮して行うことが必須となる。(高齢者住宅の場合)国民年金層が多ければ、生活保護基準の住宅扶助額を参考に設定することも必要になるだろう。

次に地域にどの様な機能の医療機関があるのか。急性期病院や療養病棟を持つ病院の把握と連携構築は不可欠な事項だ。

三つ目に地域と行政との関係構築の視点が必要になる。人口減少地域であれば、高齢者住宅や介護施設そのものが地域の「福祉ステーション」的な役割を担うことになり、行政との協働で地域包括ケアシステムを推進する旗振り役を担っていくことで、更に地域での存在意義を増していくだろう。

日々勉強しながら計画者の皆様の期待に添えるよう精進していきたい。

介護ビジネスの未来を創る

17/10/2021

【進む2020報酬改定協議】
2022年4月1日の診療報酬改定に向けた協議が進んでいる。10月13日には中医協第6回総会が開かれて在宅医療等について協議された。
総会資料は厚労省のホームページにアップされており自由に閲覧、ダウンロード出来る様になっている。
今回は、総会で何が話題になっているのかいくつかご紹介しながら、設計士として感じることもお伝えしたい。

①2025年に向けた在宅医療の体制構築
・在宅医療ニーズ約30万人増加。
・訪問診療ニーズの増加約100万人見込み。
→受け皿を検討とあるが、事業者の手挙げが減り、整備計画が達成しない状況ある。
②在宅医療普及の課題整理と「7つの柱」策定
・医療連携モデルの構築
・在宅医療の普及啓発モデルの構築
→肝心な在宅医療を提供する場所(住宅や施設)の整備に関して問題提起がなされていない。整備用地の確保や建築費が高騰する中で整備が遅滞している状況を総括していない。思い切った補助金や助成が必要なのでは。

全体として、在宅医療サービスを提供する側からのソフト面に関する議論が行われており、療養場所になる高齢者住宅や住宅型有料老人ホーム、介護保険施設等のハード整備については全く触れられていない。

今回のコロナ禍では療養場所の不足やそもそも療養する場所が無いことへの不安や問題が噴出したはずだ。

在宅医療を必要とする方が増加するなら、「どこで?」「だれが?」「どのように?」と考えるのが普通の感覚だと思う。

「どこで?」はハード種別の線引きだけでなく、介護サービスと在宅医療をどこの屋根の下で受けるのか?見込まれる100万人が身を寄せる場所の確保が本当に出来るのか?サ高住整備だけでなく、地域密着型事業のハード整備も含めて事業者が参入しやすく対応していくことが必要だと考えている。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html

パワーもらった パラリンピック‼️「想い」と「目標」の実現に向けて、認め合い、分かち合い、担いあう。そんなチームがあるからこそ、世界最高のステージで輝けるのだろう。想いを具現化する設計者にも通じるものがある。東京パラリンピックが今月6日に閉...
11/09/2021

パワーもらった パラリンピック‼️

「想い」と「目標」の実現に向けて、認め合い、分かち合い、担いあう。そんなチームがあるからこそ、世界最高のステージで輝けるのだろう。想いを具現化する設計者にも通じるものがある。

東京パラリンピックが今月6日に閉会したが、
こんなに観たのは初めてだったし、知らないことばかりだった。今回のパラリンピックには本当に感謝したい。

オリンピックが「平和の祭典」であるのに対してパラリンピックは人間の無限の可能性を象徴している。シンボルの赤、青、緑の3色マークは「心」(スピリット)、「肉体」(ボディ)「魂」(マインド)を示しているらしい。実は五輪の旗とパラリンピックの旗が違うことも今回初めて知ることになった。

刺激された私のハートは今でも熱いままだ。もちろんオリンピックでも多くの感動場面に触れたが、パラリンピックでは選手個人の「物語」を知る機会があった分、強く印象付けられている。

大会期間中の新聞記事で、選手がどのような経緯で競技を始めることになったのか、つまりなぜハンディキャップを負ったのか知ることになったが、その一つひとつに様々な「人間物語」がある。

掲載されたのはメダル獲得者のことだったが、日本は254人の選手がおり、それだけの「物語」がきっとあると思う。もちろん物語を支える人たちの存在を忘れてはいない。

次のパリ大会は3年後。今度は「人々の大会」がコンセプトらしい。競技や式典が街中で繰り広げられる様だ。世界的な観光地で歴史と伝統ある特徴的な街並みのパリでどのような「物語」がステージアップされるのか今から楽しみだ。

【パリ大会紹介動画】
https://youtu.be/SUQZQMhqrnA

画像は9月6日付読売新聞

毎年の災害から高齢者をどう守るか⁉️読売新聞の8月25日付朝刊「解説」欄に『高齢者避難 防災と福祉連携』という特集記事が掲載されている。要介護状態や独居の高齢者が地域で増えている中、どの様な方法で迫りくる災害から高齢者を守ることができるだろ...
01/09/2021

毎年の災害から高齢者をどう守るか⁉️

読売新聞の8月25日付朝刊「解説」欄に『高齢者避難 防災と福祉連携』という特集記事が掲載されている。

要介護状態や独居の高齢者が地域で増えている中、どの様な方法で迫りくる災害から高齢者を守ることができるだろうか?

以前も取り上げたが、この問題は設計者としても積極的に関わっていきたいテーマであったが、この特集記事を読んでいくうちに認識を新たにすることになったので紹介したい。

「災害時に支援が必要な高齢者や障害者ら一人ひとりの避難方法などを事前に決めておく個別避難計画の作成が5月から、市町村の努力義務となった」らしい。

「避難行動要支援者」(高齢者や障害者等)ごとに、『一人ひとりの』「手助けする人や避難場所、配慮すべきことなどを『事前に』まとめた計画」を『個別避難計画』と呼ぶ」

「国が2013年に指針を定め、自治体などに計画作りを推奨してきた」「消防庁によると、20年度の作成済み市区町村は全部作成が10%、一部作成が56%」とのこと。

率直に、「一人ひとり」の「個別避難計画」の作成は随分ハードルが高いと思った。これを本当に推進しようと考えれば、地域コミュニティの確立と地域内での相互支援関係の構築はもちろん、作成にあたっての実務者の負担は計り知れない。

記事ではケアマネージャーが登場するが、災害時のマネジメントまでを請け負うには養成段階での教育と実地訓練が不足しているのではないか。

今年度の介護報酬改定で災害時の事業継続計画(BCP)の作成が事業所ごとに求められることになった。実際の作成までは3年間の経過措置期間付きで、地域住民との協力体制についても言及されているが、現状の業務の中で地域の世話役やコミュニティ関係者とどの程度関係構築が出来ているだろうか?

自治体の個別避難計画と介護事業所のBCPとの関係性や、災害時にそれを実行するマンパワーと責任範囲についても疑問が残る。

いつ起こるか分からない災害への備えとしては短期的に必要な計画だと思うが、中長期的には災害に強く対応可能な「街づくり」の視点が欠かせないと思う。公共事業による様々な角度からのハード整備。地域コミュニティ基盤の確立
やそれを推進する「オルガナイザー」の養成。『災害時対応マネージャー(仮称)』による計画作成や官民共同のシンクタンクと推進体制の構築等…

昨今の感染対策も同様だが、いわゆる「有事」や「緊急事態」への対応と同じレベルで予算を組み、対応する体制がないと『一人ひとり』の『個別計画作成』の完遂は難しいのではないか。「つくればいい」というものではなく「一人の犠牲者も出さない」という信念と、本当に「作る」「毎年作り続ける」「個別状況の変化に対応して修正し続ける」という覚悟と費用、マンパワーがないと「計画倒れ」になると感じた。

多様性と個別性を尊重する高齢者施設設計が求められている‼️知人が、北日本の看護大学で介護福祉を教えている先生に、これからの高齢者施設設計に必要なことを聞いてみた。先生いわく、1.リスクマネジメントとしては、転倒時の床面の衝撃緩和。2.グルー...
21/08/2021

多様性と個別性を尊重する高齢者施設設計が求められている‼️

知人が、北日本の看護大学で介護福祉を教えている先生に、これからの高齢者施設設計に必要なことを聞いてみた。

先生いわく、

1.リスクマネジメントとしては、転倒時の床面の衝撃緩和。

2.グループホームは、クライエントの生活にあった設計:庭、縁側、炬燵等の設置。

3.特養は、プライベートとパブリックスペースの両立:家族、友人、ボランティア、趣味が同じ人と過ごすスペース、野菜作り、池、動物を育てるスペースの確保。

全体的には、死を待つのでなく、生ききる場所を作ることが大切と。

また、家族も施設に入所させている負担感を軽減する、生活を楽しめるスペースの確立が必要とのこと。

彼自身は、大阪で出資者を求めて、ジム、喫茶店、スナックを隣接させた、一体型施設を作ろうと考えているようだ。不動産会社の社長と交流し、将来を見据えいるとのこと。

名古屋の長久手ゴジラ村を参考に、長屋型施設をイメージしているらしい。

さらに、性的マイノリティ、中国人残留孤児が多数入所する施設も構想している様子。当事者や中国語、麻雀、中国文化に造詣の深いスタッフの配置も考えている様だ。

残留孤児の方が認知症になったら、中国文化に造詣が無ければ、ケアが困難という研究論文があるとのこと。

入所したときには元気だが、加齢でそのうち介助、介護が必要になる方、介護度が増し医療ニーズも高まっていく方、認知症を発症する方等、身体的に弱まっていく方が圧倒的に多い。

設計者側も頭では分かっているが、イメージが貧困。施設の造り方を100倍ぐらいイメージしないとだめだ…

そのための近道は、現場スタッフからケース通じて感じていることや、実際にお住まいの方との世間話の中で感じ取ることなのかもしれない。設計者にとっては「作品」でも、それは「終の住処」であり、人の手から施される「セービス提供」の場なのだから。

今回初めて聞く話ばかりだったが、研究者とはいえ、立場が違うと同じ高齢者施設のコンセプトもこんなにも変わるものだと驚かされた。

多様性と個別性を尊重する時代になっているのは感じていたが、これからの高齢者施設も従来型の延長ではなく、本当に必要とする方のニーズにどのように対応していくのか、という視点が必要だとあらためて認識することになった。

(画像は オランダMVRDV社設計の高齢者住宅「オクラホマ」)

https://www.mvrdv.nl/

https://www.wikiwand.com/ja/MVRDV

MVRDV(エムブイアールディーブイ)は、オランダのロッテルダムを拠点とする建築家集団。1991年に設立された。

熊本市でも見られる介護保険施設の整備目標の未達成の実情! 必要としている方が多くいながらも、介護保健施設の整備が計画通りに進んでいないことを取り上げた新聞記事をご紹介したことがある。関東での話だったが、実は地元熊本市においても同じような「整...
29/06/2021

熊本市でも見られる介護保険施設の整備目標の未達成の実情!

必要としている方が多くいながらも、介護保健施設の整備が計画通りに進んでいないことを取り上げた新聞記事をご紹介したことがある。関東での話だったが、実は地元熊本市においても同じような「整備未達成」が起こっている。

熊本市ホームページからダウンロードできる、「令和3年度(2021年度)~令和5年度(2023年度)熊本市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(「くまもと はつらつプラン」※第8期)にそのことが掲載されている。

第7期(2018年度~2020年度)計画の最終年度末の見込数が整備目標を達成していない主なサービスとして、
①老健(173名分未達成)
②小規模多機能型居宅介護(14ヶ所分未達成)
③認知症グループホーム(63名分:7ユニット)となっている。
(※計画に掲載時と実際にタイムラグがあることもあり)

✳︎小規模多機能以外の単位は人。

        7期整備目標  7期末見込
老健       2197     2024
小規模多機能   66ヶ所    52ヶ所
認知症グループホーム 1205     1142

また、令和3年度から始まった3ヵ年計画では以下の通り掲載されており、整備目標を大きく下回った(14ヶ所未達成)小規模多機能居宅介護(通称:ショウタキ)では整備目標が大幅に下げられた。

         令和2年  令和5年
特養(広域型)  1964    2024
介護医療院    529 750
介護療養型    221      0
小多機      52ヶ所    57ヶ所
認知症グループホーム
         1142    1268
地域密着型特養  489     547
特定施設(混合型)1253    1494

これを見て感じるのは、いよいよ設計者の出番だということだ。
①介護療養型が全廃となり介護医療院への転換が前提となっている。
②14ユニット分の認知症グループホームの整備が目標となっている。
③241名分の特定施設(混合型)目標となっている。

計画ではサービスごとの利用見込量が年度別に掲載されており、年度別に施設整備目標数の推測が出来るので、計画をお考えのお客様はご自身の事業戦略を検討される際の参考にしていただきたい。当社は介護系施設の実績が豊富なので、お気軽にお問合せください。
(画像はフリー素材)

個浴だけの療養病棟で腰痛を訴えるスタッフが多く、離職率が高いので設計者として何が出来るか考えて欲しいとのメールが飛び込んできた! コロナ禍に感染リスクの高い最前線で、まさに体を張って患者さんの看護や、要介護者のケアを提供している状況はマスコ...
20/06/2021

個浴だけの療養病棟で腰痛を訴えるスタッフが多く、離職率が高いので設計者として何が出来るか考えて欲しいとのメールが飛び込んできた!

コロナ禍に感染リスクの高い最前線で、まさに体を張って患者さんの看護や、要介護者のケアを提供している状況はマスコミでも多く取り上げられており、社会的に感謝の意志を伝えていこうとする、これまでにない雰囲気に包まれている。

今でこそ、そういう空気感があるが、ずっと以前から医療や介護の現場では、スタッフの皆さんは資格者、専門職としての“良心”や事業所の理念を背景に、モチベーションを重ねながら従事しておられることは、病院や介護事業所の設計に取り組んできた者として強く感じている。

厚労省は介護職員の処遇改善加算の施設基準で、介護福祉士の勤務年数や常勤比率に条件を付けるなどして(例:7年以上の勤務・常勤比率75%以上等)事業所側に職員の定着策を促す誘導も行われているところだが、ハード上の問題でスタッフの業務負担に深刻な影響を与えて、離職が進んでいる事業所では、働き続けようと思っても無理なのかもしれない。

今回の相談は知人のコンサルタントからで、九州北東部の療養病院の事例とのこと。詳しく状況を聞かないと何とも言いようがないが、今後の経過について取り上げていきたい。

2018年~2020年の第7期介護保険事業計画に盛り込まれた介護施設の整備計画が未達成のままになっている。以前は「特養入所100人待ち」等と言われたこともあったが、入所定員増のための整備計画が進まない現実がある。これはいったいどういうことな...
02/06/2021

2018年~2020年の第7期介護保険事業計画に盛り込まれた介護施設の整備計画が未達成のままになっている。以前は「特養入所100人待ち」等と言われたこともあったが、入所定員増のための整備計画が進まない現実がある。これはいったいどういうことなのだろう。5月31日付の読売新聞に掲載されていたので紹介したい。

厚労省によると、特養の入所待機者は全国で約32万6000人(2019年4月現在)いるそうで、これは福島県郡山市の全人口より多い数になる。
読売新聞の政令市など主要74自治体への調査では、8割の自治体で「定員増」が未達成になっているそうだ。
『介護施設の整備が進まない理由』として
・「運営事業者が集まらない」 42自治体
・「施設整備の土地が足りない」32自治体
・「介護人材の不足」24自治体
・「新型コロナの影響」14自治体
「コロナ禍による利用控えで、特養に併設されたデイサービスの経営が悪化するなど、介護事業者の打撃は大きい。施設の新設には慎重にならざるを得ない」
整備はしたものの介護人材不足で、オープンが20年度から持ち越した事例が紹介されているが、九州でも見受けられる。
また、最近のコロナ禍で更に介護人材の離職が進んでいるようで、事態はますます深刻になってきている。

マナ設計はこれまで介護施設の設計に積極的に取り組んできており、僅かでも社会資本の整備に貢献したいと考えてきた。整備用の土地が見つからないのは「古くて新しい」課題だと思うが、土地を確保するための費用と見込まれる介護報酬とのアンバランスの問題があるのかもしれない。

新型コロナや人材不足については今回の介護報酬改定でも、感染症対応のための事業継続計画の策定やシミュレーションの実施を促進させようとしている。また、介護職員の処遇改善加算や週30時間以上の勤務で常勤換算1とする緩和等も行い人材対応を後押ししている。

ソフト面の課題も注視しながら、計画者の事業が推進できるように尽力していきたいと思う。

(画像はフリー素材)

住所

東区江津2丁目13- 7
Kumamoto-shi, Kumamoto
862-0942

電話番号

0962276555

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