21/04/2026
那覇市小禄のマンション一室にて、
リノベーションプロジェクトが始まりました。
解体を終えた空間に、これから新しい魅力が重ねられていきます。
本プロジェクトは、東京と沖縄で価値ある不動産を丁寧に見極め、住まいとしての質を高める取り組みを重ねているリズム株式会社様よりご依頼をいただき、南碧想庵が空間設計を担当しています。
リズム株式会社様は、単なる新しさではなく、その空間に流れる時間や、住まう方の感覚までを含めて価値を再構築される会社であり、今回も私たちの提案を深くご理解いただいた上で、この計画が動き出しています。
今回の小禄の住まいは、「家にいる時間そのものが、心を整える贅沢になること」を大切に設計しています。
沖縄特有の気候は、暮らしに豊かな表情をもたらす一方で、長く続く雨や、強い陽射しと暑さによって、外へ向かう気持ちがふと緩む日もあります。
本計画では、そうした環境を単なる制約として扱うのではなく、あえて受け入れながら、内にいる時間そのものを、穏やかで満たされたものへと整えていく住まいを目指しています。
外に出ることに頼らずとも満たされる時間。その積み重ねが、この住まいの価値を静かに形づくっていきます。
もう一つの軸は、家族それぞれの時間が心地よく流れることです。
同じ空間にいながらも、それぞれが自分のリズムで過ごしながら、必要なときには自然と気配を感じ、ゆるやかにつながる。
その穏やかで自然な距離感が、日常の質を静かに引き上げ、住まい全体に静かな豊かさをもたらしていきます。
その象徴の一つとなるのが、窓辺に設けるヌックスペースです。
ベッドでもソファでもない、身体を預けながら景色を眺め、風や光の気配を感じて過ごす場所。
読書をしたり、思考を巡らせたり、あるいは何もせず静かに身を置く。
用途を決めすぎないことで、その人の時間が自然に育まれていく、私的な特等席です。
南碧想庵では、こうした時間の質を支える設計に加え、沖縄の素材や土地の記憶を丁寧に取り込みながら、和・洋・琉の美意識を重ねた、奥行きのある住まいをかたちにしていきます。
空間は完成した瞬間に終わるものではなく、住まい手の時間とともに少しずつ馴染み、ゆっくりと魅力を深めていくもの。
どんな日でも自然と帰りたくなる、静かな豊かさと品格を宿した住まいを、ここから丁寧に育て行こうと思います。